Rest API

Rest API（Representational State Transfer API）は、ウェブ上のシステム間で情報を交換するための一般的な方法です。このアプローチは、リソース指向のアーキテクチャを採用しており、ウェブの基本的な標準（HTTPプロトコル）を使用してデータの作成、読み取り、更新、削除（CRUD操作）を行います。それぞれの操作はHTTPメソッド（GET、POST、PUT、DELETE）に対応しています。

Rest APIの「リソース」とは、ウェブ上のあらゆる種類のオブジェクト、データ、またはサービスを指します。例えば、ユーザー情報、商品カタログ、記事コンテンツなどがこれに該当します。各リソースは一意のURI（Uniform Resource Identifier）によって識別され、クライアントはこのURIを使ってリソースにアクセスします。

Rest APIの設計原則には、ステートレス（サーバーがクライアントの状態を保持しない）、キャッシュ可能性（レスポンスがキャッシュ可能であること）、レイヤー化（クライアントとサーバー間の通信を中継する中間層を設けることができる）、コードオンデマンド（オプションで、クライアントがサーバーからコードをダウンロードして実行する）などがあります。これにより、シンプルで拡張性が高く、多様なクライアント（ウェブブラウザ、モバイルアプリなど）からアクセスできるAPIを設計することができます。

Rest APIを用いてユーザー情報を管理する一般的な例を考えてみましょう。ここでの目的は、ユーザーの取得、登録、更新、削除といった基本的な操作（CRUD操作）をWeb APIを通じて行うことです。各操作はHTTPメソッドに対応しており、特定のURI（リソースを指すウェブ上のアドレス）にリクエストを送信することで実行されます。

ユーザー情報の取得（Read）

• HTTPメソッド: GET
• URI例: /users/{userId}
• 説明: 指定されたIDを持つユーザーの情報を取得します。{userId}は取得したいユーザーのIDに置き換えます。このリクエストは、サーバーから特定のユーザーに関するデータを要求し、成功するとユーザーの詳細情報が返されます。

ユーザーの登録（Create）

• HTTPメソッド: POST
• URI例: /users
• 説明: 新しいユーザーを登録します。リクエストボディには、登録するユーザーの情報（名前、メールアドレスなど）を含めます。この操作は新しいリソースを作成するため、POSTメソッドが用いられます。

ユーザー情報の更新（Update）

• HTTPメソッド: PUT
• URI例: /users/{userId}
• 説明: 指定されたIDを持つユーザーの情報を更新します。リクエストボディには、更新する情報を含めます。PUTメソッドはリソース全体を更新する際に使われますが、一部の情報のみを更新する場合はPATCHメソッドが適切な場合もあります。

ユーザーの削除（Delete）

• HTTPメソッド: DELETE
• URI例: /users/{userId}
• 説明: 指定されたIDを持つユーザーを削除します。このリクエストは、特定のリソースをサーバーから完全に削除するために使用されます。

このように、Rest APIでは具体的なURIとHTTPメソッドを使って、ウェブ上のリソースに対する様々な操作を表現します。これにより、クライアントとサーバー間で効率的に情報が交換され、ウェブアプリケーションやモバイルアプリケーションが複雑な処理を行うことなくデータの管理を実現できます。